あらまし
R.A.T.8+を修理したので忘備録を兼ねてメモ。インターネットにボタン換装した記事が出てこなかったのでここに書き留めていきます。
右クリックのチャタリングが頻発してFPS系のQOLがダダ下がりしたので、バラして直すことを決意。
前提
・そこそこ半田付け、電子工作の心得がある人向け。
・道具からそろえると余裕で買いなおした方が早いです。
・買いなおすよりは安上がりに済みますが、かなりタルいです。道具と技術のある友人にお願いするなら焼肉くらいは奢ってあげよう。
・マウスの分解はすべて自己責任で。筆者は一切責任を負いません。分解したことによる保証切れなどについても知りません。
必要なもの
・半田ごて
・半田
・こて台
・半田吸いとり線
・半田吸いとり機
・精密ドライバー(+,-)
・ニッパ
・ラジオペンチ
・マスキングテープ
・マイクロスイッチ
オムロン D2FC-K(50M)
D2FC-K(20M)はバネの重さ違いらしいので多分使えるかと思います。試してませんが。互換品もあるようです。
ほんへ
分解にあたり、この動画を参考にしました。おおむね同じ内容をなぞっていきます。
(つくだに様ありがとうございます)
フェーズ1
マウス背部の六角棒を外し、外せるパーツをすべて外していきます。
裏返し、ネジA~Cを外していきます。この後も含めて、全部で8本のネジを外すことになります。外したネジには番号を付けてマスキングテープで張り付けておくと安心。
ここで外したネジABCは形状が異なるので、混ざってしまわないように注意してください。
フェーズ2
表に返し、RAT8+のロゴのあたりを持ち上げると上部がもろっと外れます。
ここから、囲った部分を外していきます。
ネジDを2か所外します。このネジに違いはありません。
ネジDを外し、実線で囲ったサイドスクロールのユニットを外します。
点線で囲った部分のケーブルが結構固いので、曲げを繰り返すと容易に折れそうな感じがします。極力テンションがかからないように慎重に外しましょう。
サイドスクロールのユニットを外したら、次は上の基板を引き抜き、外します。
次は外した後の写真になりますが、基板は四角で囲ったピンヘッダと丸で囲った突起で支えられています。ピンヘッダに横方向の力がかからないよう、なるべく垂直に引き抜くことを意識しましょう。
フェーズ3
サイドスクロールの基板が外れました。
ここから四角で囲った3か所のコネクタを外します。
尚、左クリック横のボタンへ至るリボンケーブル(緑)ととUSBのケーブル(青)は図の通りの重なりになっています。取り付ける際は順番を間違えると収まらなくなるので注意が必要です。
リボンケーブルを外していきます。
枠で囲ったハウジングの、黒い部分を上に引き抜くことでリボンケーブルが外れるようになります。黒い部分は引き抜いても外れるわけではないため、白い部分と黒い部分の間に隙間があるかどうかで脱着を判断します。
精密ドライバーをマウス前方より差し込み、テコの要領で黒い部分を押し上げます。
リボンケーブルのハウジングが外れたところ。白い部分と黒い部分の間に若干間隙があるのがわかります。
コネクタ3か所を外したら、いよいよネジE×3を外し、メイン基板を取り外します。
このネジに違いはありません。
フェーズ4
ようやく基板を取り出しました。マイクロスイッチを外していきます。
ホイールは左方向に引っ張るとすぽっと抜けます。
ようやくマイクロスイッチの型番とご対面です。
この型番がggっても出てこなかったのでおれはようやくここでボタンを発注できました。
マイクロスイッチのはんだを除去していきます。
この部分のランドは両面スルーホールとなっていて、クッソ頑丈な造りになっています。とてもじゃないけど外れないので、半田を盛って吸引機で大体のはんだを取ったら、力業でボタンを取り外します。
具体的には、ボタンを破壊して、端子を1本ずつ外します。
熱を加えすぎたり力を入れすぎると余裕で壊れますが、ちょっとやそっとでは外れないので慎重かつパワーで外します。
外れました。なるだけ半田吸い取り線で穴の内側の半田を取っておきます。
ここで問題発生。穴のサイズに対してマイクロスイッチの足が太すぎて入りません。ユウカ!
スルーホールの内側にもべったり半田が残ってしまっているのも要因の一つです。極力半田吸い取り線で半田を除去しておきたいですが、あまり熱を加えると壊れるので適度にやります。
仕方ないので基板厚みくらいまで足を切断したうえ、斜めに切って強引にはんだ付けしていきます。
スイッチが浮いてしまわないよう、まずは真ん中の足を一本だけはんだ付けします。基板にベタ付けされているのを確認しながら半田付けしましょう。浮いてしまった場合は、ラジオペンチで基板ごと挟みながら半田を当ててスイッチと基板の隙間をなくします。
付け終わりました。めでたしめでたし
組み立て
分解した手順と逆に組み立てていきます。
組み立て時の注意点は二つ。
1.
先述の通り、リボンケーブルより先にUSBケーブルのコネクタを刺すこと。
逆の順番でして出戻りが発生しました。
2.
リボンケーブルを奥まで入れてからハウジングを差し込むこと。とはいえクリック感とかは特にないので奥まで入ってるかどうかがかなりわかりにくいですが……
ハウジングを差し込むときは開いたラジオペンチで押し込むのがやりやすいと思います。
以上です。
あとがき
RAT8+はサイドスクロールと見た目にホイホイされてメチャメチャ快適に使ってましたが、ばらすときだけはマジでだるいなと思いました。